ADHD(注意欠陥・多動障害)っていったい何?

発達障害にも様々な種類がありますが、一体どんな症状でどんな名目があるかわからないといったことはありませんか?

 

ここで簡単に代表的なものいくつか紹介させていただきます。

自閉症スペクトラム(広汎性発達障害):ASD

・注意欠陥・多動障害:ADHD

・限局性学習障害:LD

・発達生協調運動障害:DCD

・グレーゾーン

・知的障害

今回は注意欠陥・多動障害:ADHDについて

ADHDは大きく分けて二つに分類できます。

 

不注意優勢型
多動・衝動性優勢型

 

 

脳の機能から考えて比較的軽度と考えられるのが、不注意優勢型です。

 

逆に、多動・衝動優勢型は不注意も併存していることがほとんどなので、症状は重いということになります。

ADHD2つのタイプの脳機能について

不注意優勢型とは、ADHDの中でももっとも軽度に分類されます。

実際に衝動性優位のADHDと比較すると分かりやすくなります。

 

まずは、衝動性優位のADHDでは、脳のどういった機能が障害されているかを見るために、先に脳の機能の説明をしておきます。

 

反応抑制:周りの情報の流れにつられて思わずそちらを向かないようにする能力。

→これが弱いと、授業中すぐにいろいろなところに注意を持って行かれてしまう。

例)授業中であっても、教室の窓の外で飛んでいる鳥や風に揺れる葉っぱなどに気を取られてしまう。

自己抑制:自分の行動や感情をコントロールする能力。

→これが弱いと、かんしゃくが多かったり動き回ることが多くなる。

例)友達とすぐに物の取り合いをして怒り出す、じっと座っておらずたとえ室内でも部屋の隅で行ったり来たりしているなど。

ワーキングメモリ:短期記憶の一種。

→これが弱いと所謂「学力」が大幅に低下する。

例)テストの点数が平均以下であることが多い

 

衝動性優位型のADHDについて

・反応抑制     障害されている

・自己抑制     障害されている

・ワーキングメモリ 障害されている

 

つまり、三つの機能全てが障害されているということになります

不注意優勢型のADHDについて

・反応抑制     障害されているが軽微

・自己抑制     障害されているが軽微

・ワーキングメモリ 障害されている

 

つまり、不注意優勢型は、衝動性優位型に比べて、反応抑制機能と自己抑制機能の働きが比較的良好であると言えます。

 

このことから、不注意優勢型がADHDの中でも比較的軽度であると言えます。

言い換えれば、もっとも改善が早く済むのもこのタイプであるということです。

 

不注意優勢型とは

不注意優勢型は比較的女性に多く、時間をかければ学業でもどうにかついていけるので、大人になっても自分がADHDだったと気づく人は少ないのです。

 

「もしかしたら自分は何か問題があるのかもしれない」と気づく場面が来るのは、働き始めてからがほとんどです。

これは、自分自身で困難を感じて病院を受診する場合だけではありません。

企業側が採用する時点では分からなかった、実際に業務に就いた後の、その人の「要領の悪さ」や「仕事のできなさ」などが目立って来るために、会社から診断を勧められることがきっかけで初めて発覚するパターンもあります。

 

本人は様々なサポートを必要としますが、食事、薬、運動、サプリメント、ワーキングメモリトレーニングやコーチングなどの取り組みで低下している脳機能を補う、あるいは高めることは可能です。

緊張感がないとADHD動けない

不注意優勢型のADHDは、興奮、好奇心、恐怖や緊張などを感じていると注意力が高まるので、一見すると集中力に問題はないように見えます。

しかし、すでに習慣化された日々のルーティンワークを半ば無意識にこなすとなると、一気に集中するのが難しくなります。

 

これは簡単に言えば「緊張感がないから集中ホルモンが出ない」ということです。ADHDの人にとっては、ある程度はピリッとした空気感が存在しないと、脳は十分に本領を発揮できなくなるのです。

 

一方、定型発達であれば、たとえ緊張感のない状況であっても、ある程度の集中力をコントロールすることが可能です。

これは、集中ホルモンが常に適度に出ているためで、わざわざ緊張感のあるシチュエーションを作らなくとも、特に問題なく思った通りの行動ができるのです。

しかし、たとえ相対的に「軽度」とはいえ、不注意優勢型のADHDではそうはいきません。

 

ADHDの脳の場合、一旦シチュエーションに慣れてしまうと途端に集中するのが難しくなります。

それどころか、集中しなければと意識をすればするほど余計に頭が真っ白になることさえあります。

 

習慣化された作業とは、以下のようなことです。

 

・ほぼ毎日、学校や塾から出される宿題 

・タイムテーブルが規則的に管理されているため同じような状況になる授業

・毎日同じような繰り返しを求められる家事

・事務処理などといった書類仕事、内容に大きな変化のない作業

 

ADHDの人々にとって、これらは一生苦労が付きまとう作業でしかありません。

 

ADHDの人々にとっては、ルーティンワークや物事を最後までやり遂げることは、それ自体非常に難しいのです。

一時期、「やり抜く力」といったワードがつり革広告などで目にする機会がありましたが、ADHDの人々にとっては、好きではないことを最後までやり抜くのは非常に困難です。

 

最後まで作業をする忍耐力が十分でないため、本人が興味を持って取り組んでいるうちの生産性は高いですが、飽きてしまうとそれっきりとなってしまうこともあります。

たとえば、ある作業が半分なり八割の完成までくると、途端に興味がなくなって他の新しい仕事を始めることがとても多いです。

目標地点が見えてくると、モチベーションが下がり、一気にトーンダウンするので途端に脳の機能が低下してしまうのです。

 

この次にADHDの人に多いのが、引き伸ばし癖です。

 

ADHDの人々は、なかなかエンジンが掛からないため、ギリギリになって焦りを感じてからでないと行動ができません。これは、焦りからくる緊張や集中ホルモンの作用を借りないと行動に移す力が出ないためです。

 

こうした、最後までやり抜くことが難しい、先延ばし癖があるといった特徴は、社会生活を送る上で様々な支障になります。

 

ADHDの一般的な症状は以下の通りです。

・10分で済む宿題を2時間ほど見張らないと終わらせられない。
・先生からは「本当はやればできるのですが、ぼんやりとしていて実力を発揮できずにいる」とよく言われる。
・朝、起こす時になんども同じことを言われなければ動かない。
・先延ばしが多く、夏休みの宿題なども始業式ギリギリになってようやく取り掛かる。
・部屋がとても散らかっている。
・お店やよその家で、ものを壊すのではないかとハラハラさせるような行動を取る。
・何か教わるたびに、すぐに他に気を取られて集中できない。
・ダメと言われたことでも何度もする。
・すぐにかんしゃくをおこす、あるいはすねる。

軽度のものから重症なものなど色々とありますが、これらで複数当てはまる場合はADHDの可能性が考えられます。

 

ADHD(注意欠陥多動障害)の6パターン

 

ADHDはさらに細かく分類することも可能です。

分類は以下の通りとなります。

1 多動性、衝動性の強いタイプ
2 不注意が多いタイプ
3 こだわりが強い過集中タイプ
4 学習性無気力、ネガティブ思考タイプ
5 とてもイライラしやすく、暴力的な願望や空想が次々と浮かんでくるタイプ
6 とても反抗的で、少ない刺激でも爆発的に怒り狂うタイプ

それぞれ障害されている脳の部位が違うものの、表に現れる症状は非常に似通っているのですべて「ADHD」と括られることが多いです。

障害されている脳の部位が違う以上、分類に応じて処方される薬や食育も当然変わってきます。

しかし、表に現れる症状がどれもよく似ているので医者でもその細かい違いを鑑別するのに非常に苦労します。

 

それにより、処方された薬が全く逆の効果となって現れたというケースもあります。

ですが、どれも共通しているのは、適度な運動とタンパク質の摂取はとても良い改善効果を及ぼすと言える点です。

運動とタンパク質の多い食事をすることで、ドーパミンなどの脳内物質が増えて結果的に脳の機能が改善されます。

 

ADHDの心理的理論

ADHDの方々は相手の立場に立ってものを考える能力は持っています。

これはASDと大きく異なる点です。

 

ただし、先を見通して計画するための機能が十分に働いてくれないことが多いので、自分の考えを点検してから発言することがうまくできない場面も増えてきます。というのも、点検にはそれなりの集中力が必要だからです。

 

そのため、ADHDの人は無自覚に相手の怒りを買ってしまうということがよく起こりますが、本人としては特に考えずにうっかり言ってしまった、という感覚が強いのです。

 

定型発達であれば、過去の記憶を検索して「これを言えば相手が怒るかもしれない」と十分に自分の考えを点検してから発言します。

 

自分を客観視して、発言内容を点検するという作業を普段から自動的に(無意識に)行なうことは、定型発達の人からすればそれほどの労力を必要としません。

一方で、ADHDの場合これは自動ではなく手動(意識的に)で行う必要があります。

 

もちろん慣れれば、たとえADHDと言えども自動化されます。

ですがわざわざそういう訓練をする必要がなかった場合、大人になってから苦労する場面が増えるリスクがあります。

 

たとえば、先読み能力が十分に発達していなければ、訓練を積まない限りはチェスや将棋などはとても場当たり的な手しか打てません。

 

これは生活面でも同じです。

 

・前もって状況を先読みする

・これまでの経験からの知識を検索する

・問題を自主的に解決する

 

これらの機能が低下してしまっているので、どうしても

 

・長期的な高報酬ではなく、即時低報酬

・長期的で健康的な生活でなく、その瞬間の快楽(パチンコや覚せい剤など)

・長期的で理性的な判断でなく、その瞬間の感情による判断

 

などを追い求める傾向にあります。

 

ADHDに有利な点

しかし、ADHDにも当然良い点はあります。

・どのような環境であろうと、本能的な行動で心地よく過ごすことが可能。

・瞬間的な行動や判断が場合によっては思いがけない発見をもたらすことがある。

・過集中が続けば、大きな力と流れを作り、それが歴史を作ることもある。

・常に刺激を求めて行動するので、新しいことを積極的に試す。

・好奇心に突き動かされて、まだ一般的でないことに挑戦し第一人者となることがある。

 

他には、好きなことをしている時は集中力を発揮します。

「好きこそ物の上手なれ」という言葉が表すように、楽しいと思える時は集中ホルモンが分泌されるためです。

ADHDの人々においては、その調節が一般の方々よりも極端に働くと言えます。

歴史的に大きな変化を作ってきた人たちは、自分の道を突き進んでひたすら行動してきたように見えるのも、もしかすると過集中や新奇追求によって果たせたことなのかもしれません。

 

発達障害改善ホームケアサポートでは

発達障害改善ホームケアサポートでは

薬に頼らず、親子で発達障害改善に取り組むことをもっとうとしています。

そのなかでも

脳の発達手順に沿って、脳神経機能を向上させて

改善を図ります。

・原始反射統合

・感覚統合

・食事療法

・運動療法

などを家庭で(親子)で取り組めるようなプログラムなどを提供していきます。

 

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