お子さまの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題とは?

お子さまの発達段階に応じた支援の必要性とはいったい何なのか?

・お子さまの発達は、子どもが自らの経験を基にして、周囲の環境に働きかけ、環境との相互作用を通じ、豊かな心情、意欲、態度を身につけ、新たな能力を獲得する過程になりますが、身体的発達、情緒的発達、知的発達や社会性の発達などの子どもの成長における様々な側面は、相互に関連を有しながら総合的に発達します。

 

お子さまは、身近な人や自然等との関わりの中で、主体的に学び、行動し、様々な知識や技術を習得するとともに、自己の主体性と人への信頼感を形成していきます。

 

ここで、原始反射のモロー反射や恐怖麻痺反射が残存していると、実は自己の主体性が弱く人への信頼感が育みにくいです。

これは他人においてだけでなく、家族においても信頼感が養えない状況が背中の側面で感じられます。

このような信頼感は、本人の意識化で行わられているわけではなく、無意識のうちに体が反射して起きているので、実は本人はそのような感じは一切ないので、本人を責めるのではく、信頼感を感じれる育みをしっかり行ってあげることが重要となります。

 

・お子さまはひとりひとり異なる資質や特性を有しており、その成長には個人差がある一方、お子さまの発達の道筋やその順序性において、共通して見られる特徴があります。

 

子どもは成長するに伴い、視野を広げ、認識力を高め、自己探求や他者との関わりを深めていくが、そのためには、発達段階にふさわしい生活や活動を十分に経験することが極めて重要です。

 

特に身体感覚を伴う多様な経験を積み重ねていくことが子どもの発達には不可欠であり、これらを通して、子どもの継続性ある望ましい発達が期待されるのです。

 

こうした観点を踏まえつつ、2.(1)で述べたような、現代の子どもたちをめぐる社会環境も考慮し、子どもの発達やその課題を踏まえた適切な対応と支援を、従来より一層、行っていくことが、重要であると文部科学省は考えています。

 

・このような考えから、発達段階ごとの子どもの成長の主な特徴について、発達心理学等の知見も踏まえながら検討してきた。以下は、現代の子どもの成長に関して、特に重視すべき課題について示していきます。

 

(1)乳幼児期

乳児は、外界への急激な環境の変化に対応し、著しい心身の発達とともに、生活のリズムの形成を始めます。

特に、視覚、聴覚、嗅覚などの感覚は鋭敏で、泣く、笑うなどの表情の変化や、からだの動き、「あーうー」「ばぶばぶ」といった  喃語(なんご)(まだ言葉にならない段階の声)により、自分の欲求を表現し出します。

 

また、保護者など特定の大人との継続的な関わりにおいて、愛されること、大切にされることで、情緒的な絆(愛着)が深まり情緒が安定し、人への信頼感をはぐくんでいくことができます。

 

この基本的な信頼感を心の拠りどころとし、乳児は徐々に身近な人に働きかけ、歩行の開始などとともに行動範囲を広げていく。

行動の範囲は心の範囲とも言われております。

○ 幼児は、大人への基本的信頼感をよりどころに、身近な人や周囲の物、自然などの環境とかかわり、興味・関心の対象を広げ、認識力や社会性を発達させていくとともに、食事や排泄、睡眠といった基本的な生活習慣を獲得していきます

また、子ども同士で遊ぶことなどを通じ、豊かな想像力をはぐくむとともに、自らと違う他者の存在や視点に気づき、相手の気持ちになって考えたり、時には葛藤をおぼえたりする中で、自分の感情や意志を表現しながら、協同的な学びを通じ、十分な自己の発揮と他者の受容を経験していくことを学びます。

こうした体験を通じ、道徳性や社会性の基盤が育まれて行くのです。

この時期に、しっかりお子さまと長い時間信頼関係を結んでいないと、後の発達に影響をきたします。

・現在の国内における乳幼児期の子育てを取り巻く状況については、様々な課題が指摘されているのはご存知でしたか?

例えば、少子化や都市化の影響から、家庭や地域において、子どもが人や自然と直接に触れあう経験が少なくなったり、この時期の子どもにふさわしい生活のリズムが獲得されにくいことなどがあげられているのです。

 

さらには、家族や地域社会の在り方が変化する中で、不安や悩みを抱える保護者が増加していること、また、  保護者の養育力の低下や児童虐待の増加なども指摘されている原因になります。

 

これらを踏まえて、乳幼児期における子どもの発達において、重視すべき課題としては、

以下があげられる。

  • 愛着の形成
  • 人に対する基本的信頼感の獲得
  • 基本的な生活習慣の形成
  • 十分な自己の発揮と他者の受容による自己肯定感の獲得
  • 道徳性や社会性の芽生えとなる遊びなどを通じた子ども同士の体験活動の充実

近年のお子さまは親の愛情を感じにくい傾向にあります。

これは、お子さまの特性はもちろんですが、親御様も仕事をしたり家事をすることで学ぶべきことが身につかないからと推察します。

 

(2)学童期

小学校低学年の時期の子どもは、幼児期の特徴を残しながらも、「大人が『いけない』と言うことは、してはならない」といったように、大人の言うことを守る中で、善悪についての理解と判断ができるようになります。

また、言語能力や認識力も高まり、自然等への関心が増える時期になります。

 

また、この時期に限らず、家庭における子どもの徳育にかかわる課題として、都市化や地域における地縁的つながりの希薄化、価値基準の流動化等により、保護者が自信を持って子育てに取り組めなくなっている状況が背景にあります。

 

さらに小学校低学年の時期においては、こうした家庭における子育て不安の問題や、子ども同士の交流活動や自然体験の減少などから、子どもが社会性を十分身につけることができないまま小学校に入学することにより、精神的にも不安定さをもち、周りの児童との人間関係をうまく構築できず集団生活になじめない、いわゆる「小1プロブレム」という形で、問題が顕在化することが多くなってきているということになります。

これらを踏まえて、小学校低学年の時期における子どもの発達において、重視すべき課題としては、以下があげられています。

  • 「人として、行ってはならないこと」についての知識と感性の涵養や、集団や社会のルールを守る態度など、善悪の判断や規範意識の基礎の形成
  • 自然や美しいものに感動する心などの育成(情操の涵養)

しかし、近年はこれらのことが身につき子供たちの発達があります。

基礎となる感覚や神経の育みと言われる土台がしっかり育んでないことから、このような問題が顕在化していると私は考えております。

 

(小学校高学年)

9歳以降の小学校高学年の時期には、幼児期を離れ、物事をある程度対象化して認識することができるようになってきます。

対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追究が可能となる時期にお子さまが成長していなければなりません。

自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」)。

身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、自尊感情の低下などにより劣等感を持ちやすくなる時期でもあることでお子さまの関わりは正しい関わり方をしなければならない時期です。
また、集団の規則を理解して、集団活動に主体的に関与したり、遊びなどでは自分たちで決まりを作り、ルールを守るようになる一方、ギャングエイジとも言われるこの時期は、閉鎖的な子どもの仲間集団が発生し、付和雷同的な行動が見られる時期になります。

 

現在の国内における小学校高学年の時期における子育ての課題としては、インターネット等を通じた擬似的・間接的な体験が増加する反面、人やもの、自然に直接触れるという体験活動の機会の減少があげられます。

○ これらを踏まえて、小学校高学年の時期における子どもの発達において、重視すべき課題としては、以下があげられる。

  • 抽象的な思考の次元への適応や他者の視点に対する理解
  • 自己肯定感の育成
  • 自他の尊重の意識や他者への思いやりなどの涵養
  • 集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成
  • 体験活動の実施など実社会への興味・関心を持つきっかけづくり

ここまでの年齢で脳はまだ発達段階になります。

 

産まれてから私たち人間は、外界で脳を育むという戦略を取っているのです

その、外界で正しい感覚が入力されないと脳の育みは正く行われないのです。

お子さまの発達には正しい感覚刺激と栄養と酸素は絶対になります。

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