HSC(Highly Sensitive Child)とは、日本語では「非常に敏感な子」と紹介されています。
5人に1人の割合で存在するとされ、音や匂いに敏感で、にぎやかな場所や集団行動が苦手といった傾向があり、学校生活に馴染めずに不登校などの原因になるとも言われています。
例えば、ご子息の不登校に悩んでいる保護者の方の中には、その特徴として「人が大勢いるところではすぐに疲れてしまう」「人が怒っている声が苦手」「ちょっとしたことで傷付く」といったことに思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もくじ
感覚刺激に敏感なHSCの特徴
アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン氏が提唱したHSC(Highly Sensitive Child)とは、言葉で、「人一倍敏感な子ども」という意味です。
アーロン氏はHSCのことを「感覚や人の気持ちに敏感で傷つきやすい子ども」と定義しました。
最近よく見かけるようになったHSP(Highly Sensitive Person)もアーロン氏の提唱した言葉で、その『子ども版』と換言すれば理解しやすいかもしれません。
HSCの特徴については、以下の質問に14以上当てはまるとHSCの可能性が高く、また14以下であっても項目の該当レベルによってはHSCの可能性があるという目安があります。
HSCセルフチェック
- 感覚に強い刺激を受けると敏感に反応してしまう
- 環境の変化によく気づくほうだ
- 周りの人の気分によく左右される
- 痛みに対してとても敏感である
- 忙しい日は暗い部屋やベッドなど自分だけの空間で過ごしたくなる
- カフェインに対してとても敏感である
- 明るい光、強い匂い、ザラザラした布、近くでのサイレンの音などに敏感に反応してしまう
- 豊かな想像力を持っていて空想しがち
- 騒音などで気持ちが落ち着かなくなる
- 美術や音楽など芸術に感銘を受けやすい
- 時々気疲れしすぎてしまい、1人の時間が必要
- 良心的である
- ちょっとしたことで驚く
- 短時間でやることがたくさんあると取り乱してしまう
- 周りの人が落ち着かないと感じる環境にいるときはそうならないような配慮ができる(例:電気の明るさを変えたり、座席を移動させたり)
- 一度にたくさん頼まれるのを好まない
- 忘れものや間違いをしないように努力をする
- 暴力的な映画やテレビ番組はあえて避けるようにしている
- たくさんのことが自分の周りで起こると不快になる
- 空腹になると集中できなくなったり、気分が悪くなったりする
- 生活の変化に弱い
- デリケートな香りやいい香りを好む
- 一度にいろいろなことが起こると不快に感じる
- 苦しい、耐えられない状況は避ける、ということを普段の生活で最優先にしている
- 騒音や混乱した状況に悩まされる
- 誰かに見られていたり、競争させられたりすると、そうでないときに比べパフォーマンスが落ちる
- 両親や先生から「繊細な子」「内気な子」と思われている
HSCには「DOES」と呼ばれる以下のような4つの特徴があります。
これはHSCのほとんどの人が持っている側面で、個人の育ってきた環境などに左右されるものではありません。
- D(プロセスの処理が深い:Depth of processing)
- O(刺激を強く受けやすい:easily Overstimulated)
- E(感情的な反応が強い:Emotional responsiveness)
- S(微妙な刺激に対する共感と敏感さを持っている:empathy and sensitive to Subtle stimuli)
D(プロセスの処理が深い)
少しの情報から多くのことを察したり、周囲の空気を敏感に察知したりする能力のことです。
先々のことまで考えを巡らせてしまうため、間違うことを恐れ慎重になりやすい傾向があります。
O(刺激を強く受けやすい)
受ける刺激がHSCでない人より強いです。
暑さや寒さといった環境の変化に弱く、痛みも感じやすいです。
音や臭い、肌触りなどにも敏感で、チクチクした肌触りの服などが苦手です。
刺激が多いところではすぐに疲れてしまいます。
E(感情的な反応が強い)
ポジティブな感情、ネガティブな感情の両方に強く反応します。
HSCの子どもは、怒られているのが自分でなかったとしても、ほかの子が怒られているのを見て自分も怒られているように感じてしまいます。
S(微妙な刺激に対する共感と敏感さを持っている)
他人の機嫌の機微を察することができます。
また、他人の髪型や周囲のちょっとした環境の変化などにも気付きます。
HSCは生まれ持った性質
HSCは医学的な概念ではなく、生まれつきの性質を表した言葉ですと言われておりますが日本神経発達改善専門協会では様々な神経の過敏で脳が感覚に対して統合できていなと考えております。
人種や性別に関係なく5人に1人はHSCともいわれており、実は多くの人が持っている性質です。
生まれつきのものと世間一般的には言われておりますが、もちろん「親の育て方が原因でHSCになる」というわけでもありません。
発育期の感覚の入り方や乳幼児期の環境から影響を受けていると考えます。
保護者の方は「自分の育て方のせいでHSCになってしまったのかもしれない」と自分を責める必要はありません。
HSCは性質ですので、「ネガティブなものではない」という点も重要です。
もちろん、当協会ではこのHSCを少しでも改善するトレーニング等を行うことが可能です。
HSCにとって学校は負担の多い場所。不登校の原因になることも
HSCのお子様にとって、人が大勢集まる空間自体がストレスを感じやすい環境です。
クラスメイトの大声なども負担になります。
学校はそういったストレスの多い環境であるということは覚えておかなくてはいけません。
また、共感力が高いため、たとえ本人ではなくクラスメイトが先生に怒られているだけでも苦痛を感じてしまいます。
被害妄想に陥りやすい子どももいるため、「自分もクラスメイトと同じミスをして先生に怒られるかもしれない」と不安になってしまう場合も少なくありません。
「担任の先生が代わる」「クラスが替わる」など、新しい状況に対しても敏感に反応し、不安になる子もいます。
運動会、文化祭、修学旅行など、日常とは違う刺激が多いイベントでは、本人が楽しいと思っていることでも人一倍疲弊してしまいます。
敏感だからといって必ず不登校になるわけではありません。
しかし、ストレスや不安、疲労を感じやすいので、HSCの子どもたちにとっては「登校すること自体の労力が非常に大きい」ということを理解しておきましょう。
敏感なぶん心身の疲れを溜めやすい。HSCの子どもは休息が大切
敏感な子どもは疲れやすいため、しっかりと休ませてあげることも大切です。
不快なことだけでなく、楽しいことでも刺激が多いとHSCの子どもは疲れてしまいます。
体の疲れはまだわかりやすいのですが、心の疲れは本人も自覚していないことがあるため注意が必要です。
HSCでない子どもにとっては苦もなくできることが、HSCの子どもにとっては負担であることは珍しくありません。
そのため、学校のような「全員で同じことをする場所」では、HSCの子どもは自己肯定感が下がりやすいと言えます。
HSCへの向き合い方
まずは、ご本人・保護者の方が、HSCについてよく知ることが大切です。
教師やカウンセラーであっても知識を持ち合わせていない事もあります。
HSCを取り扱っている専門医療機関に相談することから始めることも選択肢の一つとして考えられるでしょう。
問診やカウンセリングにより詳しくお話をお伺いし、どんなことで困っているのか?
それはHSCだからなのか?
それとも生い立ちや、性格、環境等によるものなのか?
など様々な観点から判断し、そのうえで何が引っ掛かりとなっているのか、またそれ以外に、その他の体質や性格、病気や症状、思い癖、認知の偏りなど、生活の引っ掛かりとなる物は何があるのかを洗い出していき、それらの症状を改善していく道案内をしていきます。
まずは、理解が先になります。
HSCを知り、お子さまは周りのお子さまより疲れやすいことを理解した上に
感覚の統合トレーニングを行う必要があります。
感覚には
音・光・臭い・味など様々な感覚があります
そして、このHSCの人は交感神経が優位で、副交感神経が使えていない人が多いい事実があります。
ですから常に、周りに警戒して何か物音ひとつで反応してしまうのです。
この神経の刈り込みを行わないと、大人になっても何かと反応してしまい
人一倍疲れやすい体のままになってしまします。
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